「I kill giants」読了(2012/11/30)

- 作者: ケンニイムラ,ジョーケリー,柳亨英
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/11/30
- メディア: コミック
- 購入: 4人 クリック: 31回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
必ず「二度」読むべし。主人公の少女バーバラが恐怖していたものが何だったのかを知って、初めてその真意のわかる演出がいくつかある。
フィクションに現実世界を変える力は無いのかもしれない。しかし、現実と対峙するための力はあるのだという主張が素晴らしい。この点では「I kill giants」の「現実と対峙する力としてのフィクション(物語)」というテーマは、こうの史代氏の作品「夕凪の街 桜の国」のそれと共鳴しあうものがある。
そして、バーバラだけではなく彼女の勇気を目撃した親友のソフィアも、フィクションが与えてくれる「力」の理解者となった。バーバラの言う「私達」の中には妖精たちの他に、彼女も入っているのだろうか?
こういう作品を読むと、漫画作品の価値は当然のことながら巻数とか、売上だけで決まるわけではないということが実感できる。
最後にもう一つ。「I kill giants」にはバーバラの父親が登場していない(姿を表していない)が、この父親は一体誰なのか? バーバラのポシェットの中身との関係は? そして父親の代理としての存在は? その役目は? など考えると面白い。